芋がらの食べ方

芋がらと芋がら縄

 

 

サトイモやハスイモの葉柄のことを「ずいき」といい、古来より食用にされてきました。このずいきは生のものを調理して食べる場合と、乾燥させたものを調理して食べる場合があります。

 

「芋がら」とは、サトイモの茎を細かく割いて乾燥させたものです。関東では「ほしずいき」、関西では「割菜」と呼ばれています。この芋がらの基本的な調理方法は、まず芋がらを 水に浸けて軟らかくした後、だし汁や酒、醤油、みりんまたは砂糖で、薄味に味付けをして煮込むものです。その中に、刻んだ油揚げを加えたり、生姜の千切りをふり込んでも美味しく、下味を付けた芋がらを味噌和えや芥子和えにしたのも好まれています。

 

芋がらを煮込みの五目飯に混ぜても野趣に富んだ料理となります。また、煮込んだ芋がらを、かんぴょうの代わりに海苔巻き寿司にするのも美味しいです。

 

この芋がらは長時間の貯蔵に耐えるために、保存食として利用されており、戦国時代においては野戦食としても利用されていました。

 

それが「芋がら縄」であり、鎌倉から戦国時代末期にかけて兵士に持たせて従軍させた野戦食です。

 

サトイモの茎を帯のように長く編み、味噌で煮しめて作ります。芋がらも味噌も食材であるため、これ単体でも携帯食として運用が可能となるのです。実際には、芋がら縄は荷物として所持されているか、兵士が腰に巻きつけて所持していたようです。

 

食べる時は、兵士はこれを必要な長さだけちぎって鍋へ投入し、水を入れて加熱します。そうすると染み込んでいた味噌が溶け出し、煮込まれた芋がらの味噌汁が完成するのです。